鑑定士ハチの部屋

ブログトップ

贋作伊万里


このところブログの更新が滞っていました「ゴメンナサイ」。

私が骨董・古美術に興味を持ち始めて約十年になります。
ヤフオクを見ていると古伊万里が出品されているのに気づき
ました。
この時の私は骨董品の真贋には免疫力「ゼロ」でした。
ヤフオクに出品されている作品は商品説明欄に書いてある時代等は
そのまま信じていました。
(ある意味では純真、言い換えれば世間知らずですね)
これは私の個人的な意見ですがこの古美術界は「だまされた者の方が
悪い」と言われる
ところがあるように思います。
そう言う意味ではこの世界、けっこう奥が深いようですヨ。
多くの本歌をみて自分の眼を鍛えて行かなければ上達はしないようです。

下の写真は柴コレに掲載されている「金襴手赤玉雲竜文」鉢
美術館で展示してるのは何度か見ました、いま窯から出てきたような綺麗
さです、大切に伝世されてきたのでしょうネ。

b0246869_11423742.jpg
1690-1720年 古伊万里最盛期頃の作品です。
b0246869_11431665.jpg


私が全くの初心者の頃、ヤフオクを見ていると「金襴手赤玉雲竜文」鉢
出品されています、他の方の入札も多数あります、私も入札に参加です。

b0246869_1122246.jpg
「見込み」に書かれている「雲竜文」です。
b0246869_11231753.jpg
側面に描かれている「鳳凰文」です。

b0246869_112438.jpg
高台内の銘「大明萬暦年製」
「大明萬暦年製」は高級食器に使われている銘です。


b0246869_11244040.jpg
入札の応酬の末、落札しました。
届いた鉢と柴コレの写真を見比べると「ザーット」見ると本物にみえますが
細部を見比べると微妙に違うところがあります、サイズも数ミリ違います。



これもヤフオクの落札品です。
商品説明は「江戸後期 鍋島 たんぽぽ文」皿
b0246869_11252683.jpg
高台付近です。
鍋島は「銘」はありません。
b0246869_1126353.jpg
鍋島の「櫛高台」、「牡丹文」
どこを見てもキズひとつありません。
b0246869_11273941.jpg
「金襴手赤玉雲竜文」鉢 と「江戸後期鍋島 たんぽぽ文」皿 あと数点を持って
九州陶磁文化館に鑑定を依頼しました。
結果は「全部 アウト でした」。
中国で作られている「中国伊万里」との事です。
「中国伊万里」は日本の骨董商の方が製作を依頼しているそうです、
あちらでは製作費が安くあがるそうです。
「このことは結局、自分たち骨董業の首を絞めることになりますョ」との九陶のお話でした。
今考えると他の方の入札は「やらせ入札・サクラ入札」の可能性 大 ですね。


下の写真もヤフオクでの落札品です。
商品説明「古伊万里 江戸中期 雪輪文」とあります。
見込みは「梅花枝」です。
b0246869_11282168.jpg
側面の絵は「明」時代の雰囲気です。
b0246869_11294251.jpg
高台内の銘は「古人」(いにしえびと)と呼ばれる銘です。
漢字の文字の右側が「古」とその下に「人」と書かれているように
見えるので「古人」(いにしえびと)と言われています。
この「銘」も古伊万里の本で知っていたので衝動的に落札してしまいました。
b0246869_1130167.jpg
しかし、本歌の「銘」はもっと立派な「文字」で書かれています。
(江戸中期の古伊万里は「絵」も「文字」丁寧に書かれています)
決定的に違うのは高台内の釉薬の掛かり方です、この焼き物は水面に雨粒が
落ちているようなアバタのような点てんがあることです。
江戸中期の本歌では「雨降り釉薬」はありません。



これもヤフオクの落札品です。
商品説明 江戸中期 藍九谷
b0246869_11305463.jpg


決定的な違和感は高台内の「目跡」の存在。
長皿の高台内に真横の三個の目跡でどうして窯の内で並べる事が
出来るのでしょうか?。
初心者の私はこんなことも気が付かなかったのです。
b0246869_11313061.jpg
側面の唐草文です。
この写真の欠き取ったような「目跡」はやはり「変」ですよね。
b0246869_113233.jpg
骨董商の方と話をすると「贋作を掴むのは授業料と考えてください」
「私どもも同じように贋作を掴んで勉強をしてきました。」とのことです。
贋作が混在しているから「目利き」と言う言葉もあるのでしょうね。
骨董初心者の頃、「伊万里はどうしたら判るようになりますか?」と飛び込み
の骨董店で聞いたところ「三年しっかり勉強すれば判るようになります」との
返事でした、いまでは「なんでも鑑定団」にでる伊万里はほぼ時代は判ります。






[PR]
by kahohira | 2014-03-03 11:38 | 骨董 | Comments(7)
Commented by micnoski at 2014-03-04 12:53 x
kahohira様

贋作伊万里についての記事、とても興味深く
読ませてもらいました。

それにしてもメイドインチャイナの古伊万里のコピー
よく出来ていますよね。
私も昔、鍋島の贋物を掴んだことが・・・・
今はどこかにコッソリ隠していますが・・・

贋作を掴んだお陰(?)で、鍋島のはどこが贋物か
わかりましたよ・・・でも、贋物掴ませておいて”授業料”とかいう骨董屋もいかがなものかと思うのですがネ(笑)
いか
Commented by 文誉堂 at 2014-03-04 20:50 x
私も素人ですが、仕方ないですね。悪いときは、お金があるときです。お金のないときには、良いものを手に入れることができます。この世界は、目の勝負ですね。私も九陶でよくぶった切られています。
Commented by 文誉堂 at 2014-03-04 20:50 x
私も素人ですが、仕方ないですね。悪いときは、お金があるときです。お金のないときには、良いものを手に入れることができます。この世界は、目の勝負ですね。私も九陶でよくぶった切られています。
Commented by kahohira at 2014-03-04 21:21
micnoski さま、こんばんは。
知人の骨董店主から聞いた話なのですが、品物を販売する時は向こう合わせにするのだそうです、つまりお客さんがこれは「初期伊万里」と思っていれば初期伊万里のような話をするのだそうです。
(骨董店主は初期伊万里とは決して断定はしない)
後でお客さんからクレームが来てもお客様が初期伊万里と思い買われたもので、「私は初期伊万里とは言っていませんよ」と逃げれるとの事です。
この古美術界はお小遣い程度のお金で遊ぶのが良いですよね。
掘り出し物は決して無いと思うべきですね。
お小遣い程度で購入し自分勝手な想像をして楽しむ事ですかね。
Commented by kahohira at 2014-03-04 22:14
文誉堂さま、初コメントありがとうございます。
文誉堂さまのブログも拝見させてもらいました。
飯塚で買い物をした記事を読みました、私は飯塚周辺に住んでいます。
九陶に鑑定依頼をしているのですね。
私も何度か行きましたが帰りはこうべさげてションボリとしています。
今後もブログの更新をしてください、お気に入りに登録して時々覗きます。
Commented at 2016-04-07 13:37 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kahohira at 2016-04-07 14:52
ku-chanさま、コメントありがとうございます。
骨董業界の方でしょうか?。
最近では古伊万里は少しは目が効くようになったと勝手に思っています。
ヤフオクでは怪しい物が多数出品されていますね。
判ってはいるのですが価格に釣られて時々入札しています。
骨董品は価格的には落札できる物が少なくなってきました。
深追いして購入するような物ではありませんネ。