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鑑定士ハチの部屋

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京都の焼き物

7/21(日) NHK総合テレビAM9:00
楽家15代楽吉左衛門の黒茶碗作製の放送がありました。
ご覧になった方は多数いらっしゃると思います。
そこで我が家にある『楽』銘のある黒水差しを紹介します。
側面は菊の陰刻。
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正面
「楽」の印はありますが、知識不足で何代作か?、江戸期の作品かは?です。
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底面です、反側面は巾着文(写真では分かりつらい)の陰刻。
蓋の摘みは壊れています。
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京都の名工と評価の高い「青木木米」の壺の紹介です。
三味庵主の箱書です。
箱書があるから真物だと思い込むのは危険です、箱書は誰でも書きます。

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白泥のろくろ成型、両耳は雨龍(龍の子供?)です。
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耳の雨龍のアップです、なかなか愛嬌のある顔です。
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木米の印です、白泥のやわらかい土に強く押印しています。
木米作品は人気があり贋作もたくさんあります、真贋は印で判断できます、
が本品は深い所に押印してあり真贋ははっきりしません。
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底です、碁笥底のような作りです。
丁寧に爪楊枝のような物でつついて作成しています。
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京都の鹿背山焼。
本品は銅版転写の鹿背山(かせやま)と私は思っています。
鹿背山は幕末に日本で最初に銅版転写を用いて絵付けされた焼き物です。
銅版転写ですからこの時代の作品は同じような絵付けです、
この側面と同じ絵付けを見つけた方は鹿背山かどうか確認してください。
もし鹿背山なら幻の焼き物を見つけた事になりますよ。
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見込みはキリンです。
初期の銅版転写ですから技術的に未完成だと感じます。
キリン図はぼやけて、ピントが合っていません。
側面も絵と絵のつなぎの部分ダブッテいるところが見られます。
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高台内の銘は?、「ナント」読めばよいの?、ヤナギか、こんな漢字あるのか?。
こんな不完全と思える作品ですから作製期間は短期で終わります。
次に銅版転写が本格的に導入されるのは数十年後の明治中期です。
日本の近代陶磁器を語る上での鹿背山焼は重要なポイントになると思います。
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箱書きがありますが、全文は読めません。
京都山科の作家の作品でしょう。
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寿老人の置物です。
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底面に『喜寿』の書き込みがあります、喜寿を記念しての作品でしょうか。
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斜め後ろの姿です。
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by kahohira | 2013-07-24 16:17 | 骨董 | Comments(0)